多様化する雇用市場

女性や高齢者の活躍がこれからの日本を変える

趣味や特技を活かした働き方もある

高校や大学を卒業して就職し、定年まで勤め上げる。そんな社会システムが、徐々に変化しています。高度経済成長期に生まれた終身雇用制度は、グローバル経済化の波の中で次第にその効果を失いはじめました。最近は、柔軟な雇用市場の登場により、多様化した働き方が一般的になりつつあるのです。
正規雇用の減少と非正規雇用の増加によって、若者を中心に将来の不安を訴える声も聞かれます。しかし、その逆に働き方が柔軟になったため、今まで社会参画できなかった主婦や高齢者といった層が、労働市場に積極的に参画できるようにもなったのです。女性と高齢者の活躍が、これからの日本の経済と社会にとって重要になると言われています。
社会全体が多様化することで、今まで存在しなかった雇用市場も生まれているようです。例えば、家事代行サービスや警備・清掃業務といった分野は、以前の日本には市場として存在しませんでした。さらに、音楽を含めた芸術やスポーツの世界でも、プロが活躍できる雇用市場が成長しています。これら新しい分野では、趣味や特技を活かす働き方ができるのが特徴です。料理や掃除が得意な女性が、飲食業や家事代行サービス業で活躍したり、音楽やスポーツといった趣味をアルバイトに活かすこともできるでしょう。
時間や場所を含めた働き方がより柔軟になり、その結果、多くの女性や高齢者が社会で活躍できる土壌が、ますます拡がりつつあります。さまざまな人が持つ趣味や特技を社会に活かすことができれば、それが女性と高齢者の輝く社会に近づく一歩になるのではないでしょうか。